コラム~第84回「路線価によらない特別の事情」
2026.3.5
東京国税局資産評価情報(令和7年3月第1号(審理関係):TAINZ情報開示情報)において、相続税財産基本通達の土地評価における路線価等によらない申告書や更正の請求書が提出された事案(以下「よらない事案」といわれている。)について課税庁の処理対応が決められている。
その路線価評価に「よらない事案」の判定手順は以下の通りとなっている。
①特別な事情があるか
特別な事情とは、評価通達による評価が鑑定評価額より著しく低下していること。いわゆる、評価通達方式による評価方法が時価を反映していないことを具体的に立証すること。例えば、土地の地形によって再建築不可なる等の評価通達ではしんしゃくできない事情があること。
②鑑定評価の内容に合理性があること
原則、鑑定評価により時価を主張することとなるが、案件によっては、1つの鑑定評価より複数の鑑定評価が必要であることもある。
③他の時価の根拠となる方法がないこと
例えば、市街化調整区域内の雑種地における建築制限、建築不可等によるしんしゃく割合で評価できるなど、代替評価方法があれば、鑑定評価によることではなく、その評価通達による評価方法が前提となる。
以上のように、評価通達に「よらない事案」については、「特別な事情」、「鑑定評価の合理性」、「評価通達の対応性」等の判定要素があることに留意したい。
なお、鑑定評価が認められるケースもある。(⽇税ジャーナルオンライン「路線価によらない不動産評価額東京局管内の認容件数」についてでは、令和4年事務年度では、年間処理件数は164件あり、認容された件数は148件(更正の請求7件)と約90%が認められている。)
