活動報告

コラム~第69回「路線価と時価」

2025.8.1

今年の相続税路線価が7月1日に発表された。

その路線価については、全国平均路線価が前年に比べて2.7%のプラスとなり、昨年の2.3%のプラスを上回った。コロナ禍を背景に下落となった令和3年分以降、4年連続の上昇となっている。標準宅地の平均上昇率は東京都の8.1%が最も大きく、全国平均(2.7%)と比べても大きな伸び率となった。上昇の背景としては、海外や地方からの人口流入に伴うマンション需要や海外マネーによる投資増などがあげられる。

相続税路線価は、評価の安全性を考慮され、地価公示価格の80%の価格水準にあるといわれている。路線価の特徴は、線の評価といわれ、矢線(1)で同一価格を表示している。この価格は、その矢線の中心にある標準画地の価格とされ、標準画地の面積は100㎡から200㎡の整形な土地価格といわれている。したがって、不整形地や規模大となる画地については、その路線価が妥当性に欠けることとなり、評価が高くなる可能性がある。ただし、20%のアローワンスがあることから単純に高くなることはないが相続税の土地評価においては、時価との格差に注意する必要がある。特に、遺産分割や遺留分侵害額において、基本的には、土地は時価で考えることとなるので、土地評価のバランスが崩れると大きな問題となる。また、最近は土地価格が上昇基調にある場合には土地の価格が重視されることから、留意したいものだ。


一覧へ戻る