活動報告

コラム~第23回「共有物の利用促進に関する民法改正」

2023.2.3

改正前では、遺産共有と通常共有が併存する状況で共有を解消するには、通常共有と遺産共有持分との間の共有は地方裁判所等における共有物分割手続で、遺産共有持分間の解消は家庭裁判所における遺産分割手続で別個に実施する必要があった。

そこで、民法改正により、遺産共有と通常共有が併存する場合においても、相続開始時から10年経過後は、遺産共有持分間の解消も地方裁判所等における共有物分割手続で処理することが可能となった。(改正民法258の2)施行日は、令和5年4月1日以降となっている。

5.所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡等の創設

改正前は、不動産の遺産共有者の中に、所在等の不明者がいる場合、共有物の管理や譲渡に支障がでる問題が生じていた。

そこで、民法改正により、相続開始時から10年経過後は、裁判所の決定を得て、所在等不明相続人の不動産持分を相当額の金銭を供託した上で取得又は譲渡することができることとなった。(改正民法262の2、262の3)施行日は、令和5年4月1日以降となっている。

6.相続における直近の主な改正事項

① 配偶者居住権創設については、令和2年4月1日から施行されている。(改正民法1028条)

② 配偶者の遺留分の計算については、令和元年7月1日から10年以内の特別受益に限定されている。(改正民法1044条)

③ 自筆遺言については、平成31年(令和元年)1月13日から一部パソコンの文章が認められている。(改正民法968条2項)


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