活動報告

コラム~第14回「日中韓の税収」

2022.10.18

2020年の日本のGDPは、世界3位(約555兆円)、中国のGDPは、世界2位(約1620兆円)、韓国のGDPは、世界10位(約180兆円)となっており、日中韓合計では約2355兆円となり、アメリカ(2300兆円)を超えて世界一となる。

そこで、今後は、アジアの時代であるといいたいが、残念ながら、日中韓は相互に仲が悪く、そうはいかないのが現状である。

日本の国家収入を考えると2020年では約102兆円(GDP比18%)となっているが、国家収入の内、残念ながら税収は70%くらいで、30%は赤字国債(いわゆる借入金)を発行して国家財政を賄っている特別な国家運営の状況にある。

その日本の税収の中身については、2020年では、所得税19%、法人税12%消費税21%となっており、日本では直接税(所得税、法人税のように納税者が国家に対して直接税金を支払う税金であり、消費税は間接税といわれる。)が約60%を占めている。このことから、国家運営について、個人、法人の課税利益が中心となり、日本の景気の良し悪しで財政運営が左右される。

なお、アメリカでは直接税の割合が70%となっており、ヨーロッパ諸国も直接税の負担割合が60%前後と高く、直接税中心の財政運営である。

一方、中国では、国家財政収入は、約470兆円(日本の約4倍)となっているが、その内間接税として増値税(日本の消費税相当、税率は13%)が30%以上となり、間接税中心の財政運営である。

また、韓国でも国家財政収入は約45兆円となっているが消費税が30%にもなり、間接税中心の国家運営となっている。ただし、いずれも国も国債発行による借入金はない。

このように、国家収入は、直接税中心の財政運営ではなく間接税中心とする財政運営を目指すべきだとの意見が多い。日本では、現在消費税率は10%であるが、財政運営的にヨーロッパ並みに20%くらいが妥当であるといわれている。コロナ禍で日本システムの脆弱性が発現し、再構築が必要な時期に来ている。そこで、政治家、官僚、民間が一体となって日本のリスタートをする必要があるのではないだろうか。


一覧へ戻る