活動報告

コラム~第73回「底地物納」

2025.9.17

国税では、金銭で納付することが原則であるが、相続税に限っては、納付すべき相続税額を納期限までに、又は納付すべき日に延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、その納付を困難とする金額を限度として、申請書及び物納手続関係書類を提出の上、一定の相続財産で納付することが認められている。これを「物納制度」という。なお、その相続税に附帯する加算税、利子税、延滞税及び連帯納付責任額については、物納の対象にはならない。
よくあるケースとしては、上記の要件のもとに自宅を物納することができる。いわゆる自宅としての土地について自己借地権を設定し、底地を物納する制度である。借地借家法では、個人単独では設定できないのであるが、平成4年の民法改正によって、一定の条件下で自己借地権が認められている。相続税法においては、民法改正前から自己借地権が認められていた。特に、バブル期には、納税困難者が多数出たため、底地の物納ケースが多かった。

底地の物納であれば地代が問題となるが、その地代、いわゆる通常地代については、よく使用されている「更地価格×底地割合×6%」の地代ではなく、周辺の相場が使用される。参考となるのが、日税不動産鑑定士会の地代率等も利用されている。

底地の物納も相続税納税の一つの方法である。


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