活動報告

コラム~第59回「歩道状空地」

2025.2.6

相続税の土地の評価について、歩道状空地がある。これは、一団地の共同住宅の開発において、公道に沿ってインターロッキング舗装された道路上の通路があり、その通路は開発行為で要請されている私道であるが、不特定多数の者の通行用の用に供されていることから、評価通達の私道の評価により評価0として良いこととなっている。この歩道状空地については、平成29年2月28日の最高裁判決に基づき、平成29年7月の財産の評価における質疑応答により不特定多数の通行の用に供されていることから評価通達24の私道の評価が適用なることとなった。

しかし、注意をしたいことは、歩道状空地でありながら建築基準法59条の2の総合設計制度における歩道状空地は、財産の評価における質疑応答により、私道の評価を適用できないとする規定がある。その理由としては、総合設計制度による中高層の共同住宅の開発行為において一定の公開空地(広場、歩道状空地等)を設けると容積率や建物の高さが緩和を受けることができることで、その歩道状空地は建物の敷地として必要な部分であり、セットバック面積のような建築面積に入らない私道としての評価とは異なることから、私道の評価として評価ができないとされている。

したがって、インターロッキング舗装となっていても歩道状空地については、土地評価について注意を要する。

なお、先の最高裁判決における歩道状空地においてはセットバックのような私道ではなく、一団地の開発行為における建物の敷地として歩道状空地である。総合設計制度と同じ考え方であるのにも関わらず、一方では私道の評価が認められず、一団地の歩道状空地では私道の評価が認めれている現状では、評価の整合性に問題がある。


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