コラム~第21回「不動産鑑定士において知って置きたい主な事項」
2023.1.16
令和3年4月に成立した所有者不明土地等における民法改正の施行時期が令和5年以降から開始されるに当たり、不動産鑑定士において知って置きたい主な事項について簡単に解説したい。
1.相続における不動産登記に関する改正
改正前は、相続登記の申請が義務とされておらず、不動産の相続が発生しても相続登記がされていないまま長期的に放置されていたために、所有者不明となる土地の問題があった。
そこで、改正法は、相続等による所有権移転登記については、申請主義の例外として法律上の申請義務を課すこととした。(改正不動産登記法76の2①、②、76の3①、④))改正法施行期日は、令和6年4月1日以降となっている。
① 相続発生から3年以内に遺産分割が成立しない場合には、相続人は相続発生から3年以内に相続人申告登記の申出又は法定相続分で相続登記を行わなければならない。
② 相続発生から3年以内に遺産分割が成立した場合には、遺産分割成立した日より3年以内に相続登記を行わなければならない。
③ 遺言により不動産の所有権を取得した相続人が取得を知った日から3年以内に登記の申請を行わなければならない。
④ なお、施行日前に発生した相続についても、施行日から3年以内に相続登記申請義務を負うことに注意をしたい。