コラム~第6回「法人税法の借地権」
2022.7.5
借地権の鑑定評価を行う場合、法人税法の借地権の判断がある。この判断については、税理士に任せ不動産鑑定士は判断すべきでない。しかし、実務上その判断については知って置きたい知見である。法人税法では、相当地代個別通達があり、特に、土地が個人所有で、その土地上に同族法人が建物を建てた場合の借地権の判断が問題となる。通常の地代を支払わなければ使用貸借となり、借地権はなしとなる。この場合には、無償返還の届出をだす必要がある。一方、通常の地代を支払う場合には注意を要する。無償返還の届出をださなければ、法人に借地権があるとして、認定課税がされる。その場合、無償返還の届出をだすと借地権の課税はされない。しかし、その届出を忘れて数年経つ場合もよく見かける。この場合には、法人に借地権があることとなり、個人は土地の評価は底地の評価でいいこととなる。ただし、法人税法では、5年の時効があり、5年過ぎると借地権の認定課税がされないが、5年以内に個人の土地評価で底地を主張すると法人に借地権の認定課税がされるので注意をしたい。相続申告でよくみられるケースである。